自分らしく

 先日、会社の同僚が仕事に押し潰されそうになった時、
半泣きの顔でこう言った。
「しんどい思いををしているのは自分だけじゃない。
これからは自分らしく、明るくやっていこうと思います。」

 「??」

 よく「自分らしく」という言葉を聞くけど、
 そもそも「自分らしく」ってどういうことだろう?
 半泣きでしんどい思いをしているのは自分らしくなくて
 明るくやっていけているときは自分らしい、ということだろうか?

 いろいろと考えてみたが、
 「自分らしい」とは「本来の自分を出す」ということ。
 「本来の自分」とは偽りのない自分のことではないかと思う。

この同僚はやっとしんどかったと吐き出せたことが
 自分らしさのはじまりということだろう。

 という事は、しんどいも明るいも、好きも嫌いも、
 良いも悪いも、そのまんまの自分でいることが 
 「自分らしい」ことではないかと思う。
 
 嬉しい時は嬉しいし、楽しい時は楽しい。
 悲しい時は悲しいし、つらい時はつらい。
 腹が立つときは腹が立つ。

 それを悟られまいとして、心や感情に蓋をして
 隠してしまうから本来の自分でなくなる。
 偽りの自分になってしまう。
 そのままでいいじゃないか。

 そのまんまの自分、素の自分が、一番自分らしい。
 そのまんまの自分で存在価値がある

 でも、わかっちゃいるけど、
 この世の中、いつも素でいられないから悩ましいってことか。
 
 少なくとも自分の身近で大切なコミュニティ、
 家族の中では素でいたい。
 心が安らぐから。

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