最近のイスラエルとパレスチナの
戦闘の報道を見て思い出したことがある。
私は1965生まれなので、
戦後30年の節目、1975年ぐらいの時だろうか?
小学校の夏休みの宿題で
祖父母から戦時中の話を聞いて
まとめるという宿題が出た。
私は当時、父親の転勤で首都圏に
住んでいたので、お盆休みに帰省した折、
祖父から戦争の話を聞くことにした。
父や叔母から、祖父は勲章をたくさん持っていると
聞いていたので、祖父に見せて欲しいと
頼んで見ると、祖父は父や叔母を睨み、
余計なことを言うなという顔になり、
あまりいい顔をしなかった。
それどころか、普段は物静かで、
いつもニコニコしている祖父の顔が
急に険しくなり、押入れの奥にある
紙袋を持ってきて無造作に中身を
畳の上にばら撒いた。
10個以上はあっただろうか?
それが祖父の勲章だった。
祖父は一言。
「全部ゴミだ。」
「こんな物、いくらあっても、
殺し合いをした事は変わらん。」
「中国では悪いこともたくさんした。」
「農家で豚や鶏、野菜も略奪した。
食べ物が無かったから生きて帰ってくるために
必死で食いつないだ。」
「戦争なんて、理由はどうあれ人殺しだ。」
「だからこんな勲章見て当時のことを
思い出したくはない。」
「日本人、中国人、どちら側も誰のためにもならん。」
「戦争は誰も幸せにはしない。」
「だから二度と戦争などやってはならない。」
というのが祖父の話の要旨だったと思う。
あの時の祖父の顔は本当に怖かった。
その時、祖父から学校に必要なら
勲章も持っていけ、と言われ
2つだけ祖父から勲章をもらった。
子供心に、怖い反面、珍しいものを貰った事で、
嬉しさも相混ざり、
ちょっと複雑な心境だった。
10歳ごろの私に、祖父はかなりオブラートに
包んだ物言いをしてくれたのだと思うが、
それでも宿題をまとめるのは気が重かった。
今となっては何を書いたのか、
ほとんど思い出せないが、
祖父が伝えてくれた
最後の2つだけは書いたように思う。
「戦争は誰も幸せにはしない。」
「だから二度と戦争はやってはならない。」
これはいつの時代もきっと変わらない。
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