Made in Japanと買いたたきの原理②

前回 ①のつづきになります。

日本は良いものを安く売るために、
実力が違う海外製品(アジアの諸外国)と
同じ土俵で勝負を挑んだから、
コストカットをせざるを得ませんでした。

値段を下げるために
様々な合理化を行ないましたが、
日本はその中に人件費も
含めてしまったのです。
ここがそもそもの間違いです。

人件費を事務用品や消耗品と同じく、
削減や抑制の対象にしていることが
おかしいのです。

その根本にあるのが、安いことは良い、
という考え方で、安いものを大量に作って、
大量に売るというやり方でした。
Made in Japanはかつては、
安くて品質の良いことの代名詞でしたが、
今では品質の良さを表すブランドです。

そのMade in Japanの良さを
きちんと認識できなかったことが
今の買い叩きスパラルを産んでしまったのです。

何で安いことが良いのだろう?
日本は何でも安く買い叩きます。
物だけではなく、人の価値も同じです。
その最たるものが非正規雇用と
外国人実習生の受け入れです。

同一労働同一賃金と言いながら、
非正規雇用者の賃金は一向に上がりません。
日本人労働者が厳しくなると外国人を
実習という名の下に働かせています。

悪しき日本の慣習がそのまま
継続されてしまっています。
これでは格差は広がるばかりです。

それが前回の賃金の状態なのです。
その証拠に他の指標でも、
世界ではこの20年、
給与所得が上がっているにも関わらず、
日本だけは横ばいです。
その間に台湾や韓国にも
年間所得が追いつかれ、
あるいは抜かれるという
事態になっています。

ここで認識を改めないと
格差は広がるばかりです。
生活が厳しければ、少子化にも
歯止めはかかりません。

買い叩きはデフレスパイラルに
繋がってしまいます。
買い叩いて人件費を抑える。
給料が上がらないから買い控える。
給料が上がらないから安いものを買う。
安い物しか売れないから安く作る。
安く作るから売上が伸びない。
売上が伸びないからコストをさらに下げる。
悪循環が止まりません。

しかし日本がもっと悪いのは、
一時的に利益が出ても先々の会社運営に
内部留保として残して、労働者には配分しない、
ということがまかり通ってしまっています。

まず、良いものは高いのです。
良いものを作る人の人件費は高いのです。

いつまでも安かろう、悪かろうの製品と
同じ土俵で勝負していてはいけません。
土俵は違います。
それを同じ土俵で戦おうとするから
安くする事ばかり考えてしまうのです。

私たちの能力も同じです。
この20年で成長もしています。
それなのに横ばいの所得はあり得ない話です。
そこを伸ばせないのは経営陣の怠慢です。

サービス残業などもっての外です。
人の価値、労働、能力の搾取です。

良いものは高くて当たり前です。
それを作る人の賃金も高くて当たり前です。
だから自分も価値を認めたもには、
その対価をしっかり払いたいと思います。

そして、せめて自分は自分を買い叩くような事は
したくないと思います。
風の時代は個の時代、
個の価値が認めらる時代ですから。


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