清濁(せいだく)合わせ飲む

先日、「今の心境」を書いていて
思い出したことがある。

小学生の時、規則やルールを守る
模範的な、絵に描いたような
優等生のクラス委員長がいた。

一方で喧嘩が強く、
粗暴だけど弱いものいじめはしない、
弱きを助けるガキ大将もいた。

よくクラス委員長とガキ大将の
正論がぶつかり合い、揉めることが多かった。
でも、担任の先生はどちらか一方の
味方をすることはなく、双方の話を
しっかりと聞いていた。

クラス委員長にはクラス委員長の
ルールきちんと守るという正論があり、
ガキ大将にはガキ大将の
弱いものいじめは許さないという
倫理・道徳観に基づく正論がある。
どちらの言い分も良いところを生かし、
どちらも認めて上げた。

大人になって「清濁合わせ飲む」という
言葉を知った時、
「ああ、あの時の担任の先生のこういう度量の
大きさの事を言うんだな」と思った。

社会も同じで、大きなコミュニティも
小さなコミュニティも
いろんな人の、いろんな考え方が尊重されて

みんなの居心地がいいんだろうな、とつくづく思う。

真の多様性尊重とは、
こうした「清濁合わせ飲む」度量を持つ
ことを言うのではないかと思う。



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